
「播磨の小京都」と呼ばれる風情ある兵庫県たつの市。
その城下町の奥深く、緑豊かな鶏籠山(けいろうさん)のふもとにひっそりと鎮座しているのが「たつの市 龍野神社」です。
1862年(文久2年)に脇坂藩の廟社(びょうしゃ)として創建されたこの神社は、神聖な空気に包まれており、毎年春には圧巻の「龍野武者行列」が行われることでも知られています。
今回は、たつの市 龍野神社の見どころをはじめ、御祭神、境内にある3つの末社、さらには少し足を伸ばして参拝したい野見宿禰(のみのすくね)神社まで、実際に歩いて体験してきた様子を徹底的にレポートします。
たつの市を訪れる方は必見の観光ガイドです!
たつの市龍野神社を参拝した動画
まずは、たつの市の城下町エリアや周辺の雰囲気を動画でご覧ください。龍野神社周辺の緑豊かで静かな空気感や、歴史を感じる町並みの様子が伝わるかと思います。
龍野神社とは?基本情報と歴史
たつの市 龍野神社は、江戸時代末期の1862年(文久2年)、当時の龍野藩主であった脇坂安宅(やすのぶ)によって創建されました。
元々は藩邸の敷地内に建てられた脇坂家の廟社(祖先を祀るための神社)としての歴史を持っています。旧社格は「郷社」にあたります。
気になる御祭神は、建安治主大神(たてやすはるぬしのおおかみ)。
これは、龍野藩の藩祖であり、「賤ヶ嶽七本槍(しずがたけしちほんやり)」の一人として名を馳せた名将・脇坂甚内安治公のことを指します。
勇猛果敢な武将であったことから、現在も「勇武・馬術の神」として深い崇敬を集めています。
たつの市 龍野神社の基本情報住所兵庫県たつの市龍野町中霞城2電話番号0791-62-1376最寄り駅JR姫新線「本竜野駅」より徒歩約20分アクセス本竜野駅から北西へ約1.9km。
揖保川の龍野橋を渡り、龍野公園方面へ
龍野神社の境内を歩いてみた
龍野神社の境内は、自然の木々に囲まれ、とても静かで厳かな空気が流れています。実際に境内を歩いて感じた見どころをご紹介します。
石鳥居と参道
入り口の立派な石鳥居をくぐり、石段の参道を登り始めると、周囲の空気がスッと変わるのを感じます。
俗世から切り離されたような神聖な雰囲気が漂っており、歴史の重みを感じながら本殿へと向かいます。
手水舎
参道の途中に手水舎があります。水受けの石には、脇坂家の家紋である「輪違い(わちがい)」の紋がしっかりと刻まれていました。
大名の廟社として建てられた龍野神社ならではの、歴史的背景を感じるポイントです。
拝殿・本殿
階段を登りきると、独特な屋根の形をした拝殿が見えてきます。拝殿の横からぐるっと回り込むことができるようになっており、奥にある本殿を比較的近くから拝見することが可能です。
自然と調和した木造建築の美しさは必見です。
龍野神社の末社を参拝
たつの市 龍野神社の境内には、本殿の他にも3つの末社(まっしゃ)が鎮座しています。それぞれに異なる御祭神が祀られており、様々なご利益があるとされています。
城山八幡宮
龍野神社の本殿から階段を少し下った場所にあるのが「城山八幡宮」です。祭神は誉田別命(応神天皇)で、厄除けや開運のご利益があります。
例祭日は2月19日。小さな社ですが、木でできた渋い鳥居があり、とても神聖で趣深い空間でした。
粟嶋神社
祭神として少名彦名命(すくなひこなのみこと)を祀る「粟嶋神社」は、婦人病に効験があると言われています。こちらの神社で少し驚いたのは、お賽銭を入れる場所です。
社の柱に竹筒が設置されており、そこにお賽銭を納めるという珍しいスタイルでした。
水天宮社
粟嶋神社と同じ段に並んで鎮座しているのが「水天宮社」です。天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)を祀っており、水や安産にご利益があることで知られています。
龍野神社の例祭、龍野武者行列
たつの市 龍野神社を語る上で欠かせないのが、毎年4月第2日曜日に開催される例祭「龍野武者行列」です。
このお祭りでは、甲冑(かっちゅう)に身を包んだ武者や、可愛らしい子ども武者など、総勢300名を超える大行列がたつの市の城下町を威風堂々と練り歩きます。
賤ヶ嶽七本槍の勇将・脇坂安治公を祀る神社にふさわしい、大迫力のイベントです。
満開の桜の時期と重なることも多く、この日に合わせてたつの市を訪れれば、まるで江戸時代や戦国時代にタイムスリップしたかのような特別な体験ができます。(※毎年の正確な日程は、たつの市の公式ホームページ等でご確認ください。)
龍野神社に御朱印はある?
神社巡りをする方にとって気になるのが「御朱印」ですが、たつの市 龍野神社には常駐の神職の方がおらず、授与所も見当たりませんでした。
実際に訪れた多くの方からも「御朱印をいただける場所がわからなかった」という声が聞かれます。
御朱印が目的の方にとっては少し残念かもしれませんが、龍野神社はその厳かな境内の雰囲気や末社だけでも、足を運ぶ価値が十分にあります。
もし、たつの市内でどうしても御朱印をいただきたい場合は、近隣にある「粒坐天照神社(つぶたつてらすじんじゃ)」などを合わせて参拝ルートに組み込むのもおすすめです。
龍野神社から野見宿禰神社へ
龍野神社を訪れたなら、ぜひ挑戦していただきたいのが、さらに奥にある野見宿禰(のみのすくね)神社への参拝です。龍野公園の奥から山道を登っていくことになります。
野見宿禰は、天皇の御前で力比べに勝利し、「相撲の始祖」と言われる伝説の人物。そんな力持ちを祀る神社への道は、なかなかの急勾配です。
途中には右に傾いた不思議な石階段もあり、ハイキングというよりちょっとした登山に近いスリルを味わえます。
道中には、第44代横綱・栃錦関が直筆したという「力水」の石碑や、全国の力士や行司84名が寄進した名前入りの玉垣がずらりと並んでおり、相撲界からの信仰の厚さがうかがえます。
頂上に到着すると、出雲大社千家氏の家紋が施された重厚で神秘的な「石の扉」がお出迎え。まるで満月の夜に開きそうなオーラを放っています。
そして何より、そこから見下ろすたつの市のパノラマビューは絶景です!体力に自信のある方は、ぜひ歩きやすい靴で挑戦してみてください。
龍野神社の周辺スポット
たつの市 龍野神社の周辺には、徒歩で回れる魅力的な観光スポットが密集しています。
聚遠亭(しゅうえんてい)
龍野神社のすぐ隣に位置する「聚遠亭」は、かつて脇坂家の上屋敷があった場所です。浮堂や茶室、美しい池泉回遊式庭園があり、特に秋の紅葉シーズンは息を呑むような美しさです。
龍野公園
約1,000本のソメイヨシノが咲き誇る県内有数の桜の名所です。無料で入れる小さな動物園(サルやヤギがいます)や、中央に立つと童謡「赤とんぼ」のメロディーが自動で流れる三木露風記念碑があり、散策にぴったりです。
白壁の武家屋敷エリア
龍野神社へと向かう道のりは、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている城下町エリアです。江戸時代の風情を残す白壁や醤油蔵の風景を楽しみながら歩くことができます。
龍野神社へのアクセス
たつの市 龍野神社へ向かうためのアクセス情報です。
アクセス・駐車場情報住所兵庫県たつの市龍野町中霞城2電話番号0791-62-1376電車での行き方JR姫新線「本竜野駅」から北西へ約1.9km、徒歩約20分。
揖保川にかかる龍野橋を渡り、龍野公園方面を目指します。車での行き方山陽自動車道「龍野IC」から約2.7km(約10分)。駐車場龍野城下や龍野公園近くに市営の観光駐車場(有料・1回400円程度)がありますので、そちらを利用して歩くのがスムーズです。
龍野神社よくある質問
龍野神社の御祭神はどなたですか?
建安治主大神(脇坂甚内安公)です。賤ヶ嶽七本槍の一人として有名な武将であり、龍野脇坂藩の初代藩主です。勇武・馬術の神として崇敬されています。
龍野神社で御朱印はいただけますか?
境内は無人であることが多く、授与所も確認できないため、通常のタイミングで御朱印をいただくのは難しいようです。確実に御朱印をいただきたい方は、事前に地域の観光協会や近隣の神社にご確認されることをおすすめします。
龍野神社の例祭はいつですか?
毎年4月の第2日曜日に行われます。この日は「龍野武者行列」が開催され、300人以上が甲冑武者の姿で城下町を練り歩く、とても見応えのあるお祭りです。
龍野神社の近くに駐車場はありますか?
神社専用の大きな駐車場はありませんが、隣接する龍野公園や龍野城跡周辺に、たつの市の市営駐車場(1回約400円)が整備されています。そちらに車を停めて城下町を散策しながら向かうのがおすすめです。
野見宿禰神社は龍野神社から行けますか?
はい、可能です。龍野公園や龍野神社の奥から山道(階段)を登っていくことができます。ただし、かなりの急勾配と傾いた石段が続くため、歩きやすいスニーカーや運動できる服装で向かうことを強くおすすめします。
まとめ
「たつの市 龍野神社」は、脇坂藩の歴史と誇りを今に伝える、非常に厳かで神聖なパワースポットです。本殿や末社への参拝はもちろん、少し足を伸ばして相撲の神様が眠る「野見宿禰神社」で絶景を満喫するのも素晴らしい体験になります。
すぐ隣には美しい庭園「聚遠亭」や桜の名所「龍野公園」、そして白壁の武家屋敷が広がる城下町があり、これらをセットで巡れば、充実した半日観光コースが完成します。
春の「龍野武者行列」の時期はもちろん、静かな秋の紅葉シーズンなど、いつ訪れても違った表情を見せてくれるたつの市。
大阪・神戸・姫路からの日帰り旅行にもぴったりですので、ぜひ歴史を感じる龍野神社へ足を運んでみてください。